（写真5－1）1928年製フォード「モデルT」をベースに、ベルギーのコーチビルダーが改造した当時の「モーター・ホーム」（ベルギー・ブラッセル市オートワールド自動車博物館）

（写真5－2）1932年製。米国車の「グラハム・ブルー・ストリーク・クーペ」に牽引されている「カーチス・アエロカー・ランド・ヨット」。当時からトイレも設備されていた（オランダ・デンハーグ市ローアン自動車博物館、筆者撮影）

（写真5－3）1937年製。米国ピアース・アロー・トラベル・ロッジのキャンピングカー。牽引車はスチュードべイカー（オランダ・デンハーグ市ローアン自動車博物館、筆者撮影）

（写真5－4）1929年製。独オペル「4PS」なるモデルの牽引。排気量1010cc、最高出力20PSの乗用車で牽引していた。当時オペルはドイツで一番売れていたブランド（ヒューマ―博物館）

（写真5－5）「4PSキャラバン」の内部。木の内装も荒い仕事。ベッドあり、テーブルありで一応生活らしくは出来る状態だが、品質は見劣りする

（写真5－6）フォードのSUV「ハスキー（Husky）230」（4WD、排気量2.3リットル）とバイモビル製キャンパー。丸みを帯びたキャラバンではなく、少し角張っており、採光に注意を払っている。牽引車は高馬力、高トルクなSUVが好まれる傾向。〝キャラバン・サロン〟と呼ばれるデユッセルドルフのキャンピング・ショーより（2021年、筆者撮影、写真5－7も併せて参照）

（写真5－7）右記のフォードSUVが牽引するキャラバンの内部レイアウトの一例。ダイニングテーブルがベットに変わり3人が泊まれる（キャラバン・サロンでの展示から）

（写真5－8）1955年から20年も生産された「DS21」が牽引車両で、屋根にカヌーを載せ、後ろにキャンパーを引く。ドイツの自動車博物館オーナーが所有。内装も含め、すべてフランスで製造されたとのこと。オーナーいわく「まだ使えるよ」

（写真5－9）フランスで内外装を仕上げたキャンピングカー（シトロエン自動車博物館）。　内装は「写真5－10」参照だが、当時のままで使い勝手があまり良くなかったとはオーナーの奥さんの経験談

（写真5－10）フランスで仕上げた割にはあまり垢抜けていない装備。木目の壁、ソファなどが後々、時代と共に改良されていく（オーナーは「普通見せないから整理整頓されていない」と弁明）

（写真5－11）いずれもシトロエンの1954年製ミニバス。左が「コシネーユⅢル・バスタード」、右が「H」。どちらも同じエンジンで排気量1911cc、最高出力50PS、最高速時速94キロメートル（アインベック市PSシュパイアー博物館）

（写真5－12）フランスのキャンピングカーのトイレは無論「ビデ（Bidet）」が必需品。「写真5－11」の左の車両に搭載の物。説明員が「フランスらしいものを見せてやるよ」と言ってドアの鍵を開けて見せてくれた

（写真5－13）1958年製のグラス「ゴゴモビルTs250」。排気量247cc、最高出力14PS、最高時速80キロメートル。牽引するキャラバンには3人泊まることができたとのこと（ヒューマー博物館。グラスの工場は現在BMWのデインゲルフィング工場）

（写真5－14）段ボールでできた500ccの東独国民車「トラバント」（1958～1991年にモデルチェンジなしで生産）の屋根にテントを張り、2人寝られるベット（写真5－15参照）を作った（アインベック市PSシュパイアー博物館）。右の本は「どのようにトラバンとで東独を旅するか」のガイドブック。この馬力の無い小型車でキャラバンを牽引し、東ドイツから旧東欧諸国を旅行していた（ヒューマー博物館）

（写真5－15）トラバントの屋根上のツイン・ベッド（アインベック市PSシュパイアー博物館）

（写真5－16）バイクやスクーターのトレーラー。東ドイツの機械工場が生産した。最大積載重量は35キログラム、大きさは0.15立方メートルまで。ベルリン旧東独技術博物館（ルードヴィックスフェルデ駅舎が現在博物館に転用されている）。1963年製

（写真5－17）ベルリン（旧東独側）技術博物館にあるキャラバン。母親が子供にホテルの代わりになること説明していた。キャラバンの名前は「コロンブスの卵」で、1938年に旧東独地区で生産された

（写真5－18）南ドイツのピッコロ（イタリア語で〝小さい〟の意味）が、1956年に製作した牽引車。これに荷物を詰め2人宿泊可能と（ヒューマー博物館）

（写真5－19）シトロエン2CV（排気量598cc、最高出力28PS、キャラバン含めた重量980キログラム）で牽引してキャンプに出かけたのはドイツ人ばかりではなく、フランス人も。ヒューマー博物館。この2CVは1984年製のチャールストンだ。2CVは「Ente（アヒル）」とドイツで言われ若者の人気が非常に高かった。ドイツでは、この車に何人乗れるかの競技があった

（写真5－20）ルノー「エスタフェッテ・クラシック・キャンパー」。1974年製、デユッセルドルフ市開催の2021年のキャラバン・サロンにて。ルノー・ブースに展示されたクラシックカー「ヒッピー・キャビアー・モテル」というキャンピングカー（写真5－21）もご参照

（写真5－21）1974年製ルノーのキャンパーの内装。2022年の内装と比べると野暮ったさは一目瞭然だが、後部の明り取りはフランス製らしくおしゃれである

（写真5－22）2022年ハノーバーIAAトランスポーテーション（商用車）ショーでルノーのブースに出展されていた2023年モデルのキャンピングカー「ヒッピー・キャビアモテル」。1974年製に比べ格段の進歩

（写真5－23）ルノーのキャンピングカー2023年モデルの内装。フランス車らしい洗練されたデザイン。1974年製とは雲泥の差

（写真5－24）1951年製のシボレー「3100ピックアップ」。これでキャラバンを牽引したり、この写真のように荷台にキャンピング用品を搭載する。このトラックはスイスのチョコレートメーカーの宣伝用にジュネーブの空港で展示されていた

（写真5－25）VW初のミニバス「T1」。米国でかなりヒットした商品。1956年製（ヒューマー博物館）

（写真5－26）VW「T1」のキャンピングカー仕様。持ち主の仕事場も兼務している様子だ（ヒューマー博物館）

（写真5－27）VWの2代目ミニバス「T2」。英語圏（英米）では人気が高かったモデルの英国仕様車（ベルビュー自動車博物館）

（写真5－28）VWの第3世代モデル「T3トランスポーター」。架装はフィッシャー（2021年デユッセルドルフ市キャラバン・サロンの屋外展示場）

（写真5－29）VWのヒット作、ミニバスの第7世代「T7」は2021年に名前を「ID．Buzz（バズ）」とし、バッテリー電気自動車（BEV）に変身。革新的なスタイルとなった。ハノーバーIAAトランスポーテーショーン・ショーでの路上にて。BEV初のキャンピングカーなので、クナウス・タッバース社とVW商用車部門は協力して内装も特徴のあるものに仕上げるよう作業を続けているとプレス発表（2022年8月18日付HB紙）

（写真5－30）三菱「L300」（日本名「デリカ」）のキャンピング仕様、1982年製。当時、三菱自動車もヒューマーの要望に応じC＆C（キャブ・シャシー）で日本から出荷していた（関税が安い）。ただ衝突試験の結果は非常に芳しくなく、ドイツの新聞で叩かれた。