〈霧灯〉濡れて参ろう

 東京の3月はいつもより晴れの日が多かったように思う。4月に入ると春雨という言葉がいかにも似合いそうな空模様の日がたびたびあった。春雨じゃ、濡れて参ろう、は幕末の京が舞台の「月形半平太」で主人公の半平太が馴染みの芸妓に言う艶っぽい科白である...

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