カーデザイン大賞（最優秀賞）　矢野光佑さん（川崎市立南菅中学校）　「SOLα（ソラ）」～ソーラーパネルと発電機構によって充電なしで長距離走行できる電気自動車（EV）　講評：エコカーでありながら、スポーツカーの性能を兼ね備えた意欲的な車。アゲハ蝶をモチーフにし、可憐そうなイメージだが、ギラギラとしたアクの強い、野心的な走りの力強さも表現しているように見える。ロゴやマークの表現を含め、ブランディングの観点もしっかり持っていると感じられ、総合的にとても優れている。　矢野さんの受賞コメント：「多くの理想が詰まった車で、今回多くの人に知ってもらうことができた。これからもカーデザインに励んでいきたい」

カーデザイン賞　落合柚巴さん（栃木県立足利工業高校）　「人楽車」～　変形可能なチェーン状の〝タイヤ〟によって走破性、乗降性を高めた　講評：昔ながらのモビリティである人力車をモチーフに、その楽しさを引き継ぐという発想が面白い作品。道路に合わせて変化するタイヤなど、最新技術が盛り込まれている。昔と未来が入り混じる、不思議な魅力がある。風を体感しやすいインテリア、座りやすいシートなど「楽しむ」をキーワードにアイデアが考えられ「人楽車」を体現している。

カーデザイン賞　鵜殿正基さん（千葉市立高洲中学校）　「MIZUGANE」～人工筋肉製の車体とⅤ型12気筒水素エンジンで地を這う走りのスーパースポーツカー　講評：審査員一同、車体をねじる発想に度肝を抜かれた。企業デザイナーは技術的制約に縛られる。「そんな発想はできない」と驚かされた。道路の凹凸に車体が跳ねることなく、這うように走れたら、これまでにない走る楽しさを味わわせてくれそうな魅力がある。どんな走りをするのか、車体がどんな変化をするのか、想像力をかきたてる。

ダビンチ賞　渡辺暁宣さん（東京都立八王子桑志高校）　「Air　Drive」～多目的な用途に対応、プロペラで宙に浮かびどこまでも自由に行ける　講評：人流、物流をいかに効率的に、安全に運ぶかは重要。（車体を）立ててしまうことで、物理的な渋滞を低減する発想は見たことがない。浮くことで、どんな悪路でも難なく走行し、これまでにない人流、物流の世界を生み出しそう。メンテナンスからサービスまで、トータルで新しい世界を壮大に考えていて、独創的。ダビンチ賞にふさわしい作品だ。

ダビンチ賞　鈴木一冬さん（松本市立旭町中学校）　「unison」～筋萎縮性側索硬化症（ALS）患者が視覚操作で運転できるEVスポーツカー　講評：ALS患者のために考えられた車だが、健常者から見ても「欲しい」「乗ってみたい」と思わせるデザインが素晴らしい。患者にとっては、特別扱いされるのが嫌な気持ちになるので、普通の車に見えることが重要。車内は患者のためにストレッチャーの乗降のしやすさなど、構造がよく考えられている。患者とユニゾンして、自由をつかめそうな車だと思った。

審査員特別賞　浜名克聡さん（神奈川県立湘南高校）　「SALRANA」～カエルのように4足歩行する電動モビリティ、災害、山岳救助で活躍を想定　講評：レンダリング力に優れている。ギミックの書き込みなどに感嘆させられた。絵を見ればどこに、何の機能があるか、わかりやすく表現されている。タイヤありきのモビリティから脱却していることも意欲的。浜名さんが描きたいことがイメージ通りに描けていると思う。メカへの愛を感じる作品。