日産GT-R、最終生産オフライン式 エスピノーサ社長「いつか復活させることが目標」

  • 自動車メーカー
  • 2025年8月27日

 日産自動車は26日、スポーツカー「GT―R」の生産を終了した。同日、栃木工場(栃木県上三川町)で「最終生産車オフライン式」を開き、サプライヤー関係者などを含めた約70人が最後のGT―Rを送り出した。現行の「R35型」は2007年12月の発売から18年で約4万8千台を生産した。世界の高級スポーツカーに引けを取らない高性能で世界中のファンに愛された。

 R35型は1990年代後半の経営危機を乗り越えた日産が技術の粋を集めて開発した。世界有数の難易度を誇る独ニュルブルクリンクサーキットで改良を重ね、当時は量産車最速級のタイムを記録した。発売後も年次改良を繰り返し、手作業で組み立てられる排気量3.8リットルV型6気筒エンジンは、25年モデルでは最大600馬力へと、発売当初から出力が25%高まった。

 日産のブランドイメージをけん引したものの、環境規制の強化や通信規格の進化、モデルライフの長期化による部品の調達難などの要因が重なり、新たな開発投資に見合った需要が見込めないと判断して生産を打ち切る。

 イヴァン・エスピノーサ社長は「R35型は自動車産業に決して消えない足跡を残した。GT―Rをいつか復活させることがわれわれ日産の目標だ。進化を遂げ、将来再び姿を現すその日まで辛抱強くお待ち下さい」と、次期型の開発に含みを持たせた。

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