日本とEUの電池関連団体、電池サプライチェーン強化で覚書 リサイクルなど日欧連携で中韓に対抗

 日本と欧州連合(EU)の電池関連業界3団体は15日、電池サプライチェーン(供給網)の強化を目的とした協力に関する覚書を大阪市内で交わした。

 パナソニックエナジーの住之江工場(同市住之江区)で、武藤容治経済産業相と欧州委員会のセジュルネ上級副委員長も立ち合い、署名式を開いた。

 覚書を交わしたのは、日本の電池や素材メーカーなど240社でつくる電池サプライチェーン協議会(BASC、好田博昭会長)と、欧州の先進電池産業団体リチャージAISBL(ベルギー)、オランダのKICイノエナジーが主導する欧州バッテリー同盟(EBA250)。

 覚書では、蓄電池サプライチェーンの強靭化に向けた水平リサイクルや電池データの流通に関する情報交換、人材育成などにおける協力を確認。日EUにおける電池産業の競争力強化を図るとともに、サプライチェーン構築に貢献していく意思を共有した。水平リサイクルに関しては、使用済み電池材料を、新しい電池材料として再利用するため、電池を解体・粉砕・熱処理した粉末状のリサイクル中間材料「ブラックマス」に含まれるリチウムやニッケルなどの分類基準の標準化で協力し合う。

 武藤経産相は「官民の総力を結集して電池サプライチェーンの強化を図る上で、EUは重要なパートナーだ」と語った。車載用電池市場の拡大が見込まれる一方で、中国や韓国系企業がグローバルで高いシェアを持つ。将来の大きな課題になると見られる電池のリサイクルや人材育成などの分野で日EUが連携することで巻き返しを図る。

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